絶滅商品


 昭和30年代に,金魚鉢に「ぶくぶく」でエアレーションをすることが一般的になったころ,フィルターといえばプラスチックの投げ込み式のものだった.写真は20年ほど前に買ったもの.

フィルター

 はじめのころは,中に使うろ材はグラスウールで,最初はふわっとしているが,2,3度洗うとからみあって「だま」になってしまったのをよく覚えている.昭和40年代には極細縮れ麺のようなポリウールが普及して,洗って何度も使えるようになった.便利になったと喜んで長く使い続けていたが,実はポリウールのろ材としての性能は良くない.天然の小石など,表面がざらざらしているもののほうが,バクテリアなどが繁殖しやすく,高い効果を持つ.さらに「ざらざら」しているものといえば,例えば軽石がある.

フィルター

 写真のような,豆つぶよりも大きめのゴロゴロした軽石は,植木鉢の底に敷くためのものとして,園芸店に行けばたいてい売られている.軽石を昔の投げ込み式フィルターにつめると,最大で,軽石と軽石の隙間の分だけ,濾過したゴミを保持できる.

フィルター

 写真に写っているドロドロのゴミは,水中を漂っていてトラップされた汚れだけではなく,その汚れを喰って繁殖する微生物も含んでいる.
 30年ぐらい前に,効率の良さそうに見えるフィルター状にポリウールを加工して内部に仕込んだ,新型の投げ込み式フィルターが華々しく登場し,普及していった.しかし,フィルター内部に保持できるゴミの量から判断すると,性能が著しく劣っていることは明らかだ.新型のフィルターには,底のほうに申し訳程度に砂利が仕込んであり,もっともらしく喧伝される濾過効果のほとんどは,その砂利によっているのではないか.
 写真のような古いタイプのフィルターは90年代にはホームセンターなどでたまに売られていたが,21世紀に入るとさっぱり見かけなくなった.いよいよ絶滅したらしい.今では,せいぜい200円ぐらいしかしない安い昔のフィルターに変わって,高価なくせに性能の悪いタイプのものがホームセンターなどに誇らしげにならんでいる.


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