チェコのブルノから南,オーストリア国境付近にある湿地帯へ淡水魚の採集に行った.共産
政権時代はオーストリア国境から幅5キロにわたり立入禁止区域で,ほぼ手つかずの自然
が残った.
ドナウ川の支流ディイェ川のそのまた支流キヨフスカの一部が,半人工的に湛水域となり,広
大な氾濫源を形成している.半人工的というのは,春先に水門を操作して排水をわざと不良に
しているのである.淡水魚の生産性を向上させるための試みという.
氾濫源には幾重にも堤防が築いてあり,いったい水がどこをどう流れているのかさっぱりわか
らない.
氾濫源にはビーバーが住んでいる.中央木の根元にその巣がある.ほかにもシカやツル(チェコ
ではすごく珍しいらしい)もいるという.
ビーバーが切り倒した木.
まるで彫刻刀で削ったような歯形.
チェコのミェルニーク郊外にあるプショフカという小川を訪れた.写真
の場所では橋の上から
パイクとイトヨの姿が確認できた.共産政権時代は治安維持のためどこへ出かけるにも許可が
必要で,しかも同じ理由でよい地図が手に入りにくかった.そのためどこにどんな生き物がいる
といった地方の自然史の研究がほとんどできなかったという.プショフカの
魚類相も最近になって
ようやく調査された.
流れにはヒンジモが見られた.日本ではかなり珍しい.
流域には湿地もある.キンポウゲの1種.
リュウキンカ.日本のものと同じ種かどうか不明.
周りの丘陵にはどこかで見たような草花がある.オダマキの1種.
こごみ(クサソテツ)そっくりのシダ.たぶん食べられる.日本のと同種かどうか不明.チェコ人は
キノコ狩りは熱心だが(共産政権時代は治安維持のため許可が必要),山菜はほとんど食べな
い由.食べるのはリュウキンカのつぼみとイラクサの芽ぐらいだそうだ.
日本に入っているセイヨウタンポポと同じ種かどうかわからないが,これも額片がめくれている.
オドリコソウの1種.
ムラサキケマンそっくりの花を付ける草.しかし葉の形はだいぶ違う.リビェコフ村にて.
粉わさびの原料になるホースラディッシュ.ミェルニークのはずれにある民家の庭先にて.
ポーランドワルミア地方,オルシュチン郊外のコルトウォ湖.ワルミア地方はフィンランドとならび,
森と湖の国である.「森へ行きましょう(シュワジウェチカ)」はこの地方の民謡.
桟橋の上から撒き餌をして魚を捕っている.ブリークという小魚.桟橋はぼろぼろで今にも踏み抜きそう.
ふぁいとぉぉぉっ! いっっぱぁぁぁっつ!